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 科学

本稿において「科学」とは、以下に示す分野 すなわち 理学系を 含めた「純粋自然科学」もしくは「純粋科学」を意味する。

 物理学
 化学
 生物学

 数学

純粋科学は自然界の現象や法則ならびに基本原理について、客観的立場から論理的に考察する。 これら現象や法則ならびに基本原理の論理的体系として理論が構成される。 純粋科学は人間中心的立場にとらわれず、実利的応用を一切考慮しないという点で、応用科学 (工学、農学、水産学、医学、薬学 など) とは立場が異なる。 純粋科学において、個々の現象から法則の認識過程は主に帰納的推論に基づくが、基本原理から法則ならびに現象の論理的導出過程は演繹的推論に基づく。 歴史的観点からは、理論が形成されていく初期段階の過程においては帰納的推論に依拠するところが大きいと考えられる。 概ね完成された理論体系の論理的整合性などを考察する際には演繹的推論が重要になると考えられる。

[帰納的推論の模式図]
 現象A1
 現象A2 −−> 法則A
 現象A3
 ・・・             −−> 基本原理
 現象B1
 現象B2 −−> 法則B
 現象B3
 ・・・

演繹的推論の場合は、図中の矢印が逆向きとなる。 この模式図において右方向に行くほど概念の抽象化の度合が高くなり、概念相互の関連性は、より普遍的となる。 換言すれば、この図の左方向に行くほど個別的で具象的な事柄を含むことになる。
物理学においては、それぞれの現象は数学的な関数で表現され、法則や基本原理については微分方程式で記されることが多い。 ここで個々の現象を記述している関数は、法則を表現している微分方程式を必ず満たさなければならず、このことにより現象は法則によって規定されることになる。 したがって 特定の条件のもとでこの微分方程式を解くことにより、起こり得る現象を予見することが可能となる。 この生起可能な現象の予見性は、主に理論体系における法則からの演繹的推論に基づいており、これは理論の重要な役割の一つである。 なお 法則ならびに基本原理の表現形式については、微分形式で記される他に積分形式で表されることもあるが、 これらは単に表現形式の相異であって、双方の形式とも等価であることを数学的に示せる。

数学については、狭義の意味では自然科学に含めないが、理学系すなわち純粋科学には含まれる。 数学は自然科学のように経験的な実験的根拠には依存せず、先験的に設定された公理や定理から厳密な演繹的推論により結論を導出する論理的過程について考察する。
物理学 → 化学 → 生物学 の順に研究対象となる系の複合性の度合が大きくなり、系の複雑性が増加していく傾向にある。 すなわち 物理学が最も要素的で複合性の度合の小さい系を対象としており、概念に対する抽象化の度合は最も高い。 また 物理学は数学と密接な関連性を持っている。

天文学や地質学のように特定の自然対象に限定された分野については、研究手段や方法に関しては上記の純粋科学の各分野に含まれていると考えられる。 すなわち 天文学や地質学は、総合的な純粋科学の分野とみなせる。 なお 応用科学分野 (工学、農学、水産学、医学、薬学 など) は自然科学に含めないが、「応用自然科学」として分類されることもある。 通常では「自然科学」は「純粋自然科学」すなわち「純粋科学」を意味すると考えてよい。

(注)
一般に「科学」の意味内容については、自然科学 (物理学, 化学, 生物学 など) に限らず学問全体にわたり幅広く用いられる場合がある。
例えば 以下のようなカテゴリーにおいて、広義の意味で用いられることがある。
 人文科学 (論理学, 哲学, 倫理学, 歴史学, 言語学, 文学, 美学 など)
 社会科学 (法律学, 経済学, 政治学, 社会学, 教育学 など)
通常では「科学」という用語は狭義の意味で「自然科学」を意味することが多い。


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